第5回:糖尿病 ④
今回は糖尿病の症状を中心にお話ししていきます。
◉ 糖尿病の症状
代表的なものは、
⚫︎ 尿の回数が多くなる(頻尿)⚫︎のどが渇く(口渇)
⚫︎ 水分をたくさん飲む(多飲)
⚫︎ 体重が減る
⚫︎ 目がかすむ
⚫︎ 疲れやすい
⚫︎ 手足の痺れ
などがあります。
ただ初期の段階では自覚症状がまったくないことが多い上に、
症状があらわれるとしても非常にゆっくり、少しずつあらわるため、発見が遅れる場合も多く、本人が気づかないままに、糖尿病が進行していくことがあります。
◆ 糖尿病の合併症
糖尿病の合併症には、大きく分けると
⚫︎ 細い血管にみられる合併症(細小血管症)
⚫︎ 太い血管にみられる合併症(大血管症)
の2つに大きく分けられます。
◉細い血管にみられる合併症
最小血管症は細い血管にみられる糖尿病に特徴的な合併症で、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経症の3つがあり、これらは「糖尿病の3大合併症」と呼ばれます。
⚫︎網膜症
私たちが目でを見た物は、光として捉えられて目の奥にある網膜に到達します。
網膜に到達した光は、網膜に存在する視細胞によって電気信号に変換され脳に送り届けられます。
この網膜に障害が起こると、目で物を見る機能に異常があらわれます。
糖尿病になると網膜内の血管が障害され、目のかすみ、視力低下などがあらわれ、症状が進むと失明してしまうこともあります。
⚫︎腎症
腎臓にある糸球体は血液をろ過して体に不要な老廃物を尿として体の外に排泄しています。
高血糖の状態が長く続くと、ろ過の役割をしている糸球体の毛細血管が壊され、老廃物をろ過することができなくなり、進行するとからだがむくんだり、倦怠感が続くなどのさまざまな症状を引きおこします。
さらに腎臓の機能低下が進むと、腎臓の機能を代行する治療である「透析療法」が必要になります。透析導入の原因の第1位は糖尿病腎症です。
⚫︎神経症
糖尿病性神経症は、3大合併症の中で最も頻度が高く、最も早期から起こる合併症です。
神経と神経のまわりの細い血管が障害され、信号がすばやく体のすみずみまで伝達するという働きが低下するため、初期には足の指や裏にぴりぴりとした痛みやしびれが生じ、進行すると手指にも同様の症状があらわれるようになります。
さらに神経障害が進行すると、痛みやしびれるような痛みではなく、感覚が鈍くなったり感じなくなったりします。
このような状態になると足が傷ついても気づきにくく、放置してしまい、最悪そこから細菌に感染して切断を余儀なくされることもあります。
◉太い血管にみられる合併症
第三回でも記載したように、糖尿病は脂質異常症、高血圧などと一緒に動脈硬化の危険因子の一つです。
大きな血管に動脈硬化が起きると大血管症として脳卒中、心筋梗塞、末梢動脈性疾患などの合併症が起こります。
このように、糖尿病は様々な合併症がみられます。
これらの予防には普段からの血糖管理が非常に重要となります。
次回は糖尿病の検査と治療についてお話しします。
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あくまでも一般的な話ですので、個々人によっては当てはまらない症状や治療法もあります。ご自身で判断せず、疑問・質問は受診時、もしくは各々のかかりつけの先生に必ず確認してください。
また誤植、明らかな間違いがあった際は、こちらまでメールでご指摘ください。
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