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コラム

第一回:心房細動 ②

今回は心房細動の症状や合併症についてお話しします。

◉ 心房細動はどんな症状があるの?

心房細動は頻脈になることがあり、「動悸」、「胸の不快感」、「脈の乱れ」、「胸が痛い」など様々な症状が出てきます。一方で40%の方は「症状がない」とも言われていますので[2]、自分に心房細動があると気づかない方もいるので注意が必要です。

                               [2]Wolf PA, et al. Am Heart J 1996; 131: 790-795


心房細動になると、心臓のポンプ機能や腎臓の機能が低下しやすくなります。また、心房細動患者さんはそうでない人に比較して1.3倍、認知症になりやすいという報告もあります[3]。

                                                 [3] Bruijn RF, et al. JAMA Neurol. 2015;72:1288–1294



さらに心房細動が起こると心臓の中に血の塊(血栓)が出来やすくなります。

「血栓」が血流に乗って心臓から脳や全身の臓器や組織に運ばれていくと、その先の血管を詰まらせて「塞栓症」を起こします。

心房細動の症状の有無に関わらず、「血栓」ができてそれが全身に飛ぶ可能性はありますので、塞栓症になるリスクはあると考えましょう。


冒頭で書いたように、心房細動に気づかれていない方も多くいらっしゃいますが、このような方はご自身で脈を測ったり、家庭での血圧測定時の不整脈エラー、最近ですとApple Watchなどのウエアブルデバイスで「不規則な心拍」の通知が出たことから気づくこともありますので、そのようなメッセージが出た場合は早めの受診をお勧めします。


◉ 塞栓症になると

塞栓症は血栓が飛んだ先の詰まる血管により様々な病気を引き起こします。心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、腸の血管が詰まれば腸管虚血となり腹膜炎や腸閉塞などを発症します。


塞栓症の中でも頻度が高いのは、脳の血管が詰まって起きる脳梗塞です。

特に心房細動が原因の脳梗塞は、突然麻痺などの重い症状があらわれ、「死亡」する危険性も高く、運良く生き延びることができたとしても「重い後遺症」が残り、寝たきりになることも少なくありません。

これらの塞栓症は、いわゆる「血をサラサラにする」お薬で予防可能ですので、心房細動となった場合は早めに的確な治療を開始することが大切です。


次回は、心房細動の治療にはどのようなものがあるのかお話します。

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あくまでも一般的な話ですので、個々人によっては当てはまらない症状や治療法もあります。ご自身で判断せず、疑問・質問は受診時、もしくは各々のかかりつけの先生に必ず確認してください。

また誤植、明らかな間違いがあった際は、こちらまでメールでご指摘ください。

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